言い返したいのに言い返せない
「パートナーから傷つくことを言われたり、
職場で理不尽な仕打ちを受けたり・・
そんなことがあるたびに、
悲しくて、悔しくて、つらくて・・
だけど、
いつも思っていることを伝えることができない。
心の中がいろいろな気持ちでいっぱいになって、
体が固まってしまう。
昔からそう。
クラスで嫌なことを言われても、
言い返したいのに言い返せなくて。
後になって、
言い返せばよかった・・と
後悔してしまう。
どうしたら言い返せるようになるんだろう・・」
このように感じることはないでしょうか?
そうですよね・・
理不尽なことを言われたり、
傷つくことを言われたりしたら、
言い返したい気持ちになりますよね。
それなのに、
言われたことによる悲しさや
相手に対する怖さなどで、
心がいっぱいになって
言い返せないまま終わってしまう・・
どうしたらこのような状態から抜け出すことができるのでしょうか?
「言い返せない」のは「勇気」の問題?
このようなお話をしてくださる方はよく、
「自分は弱い人間だから言い返せないんだ」
と自分の勇気のなさや強さの問題というお気持ちも教えてくださいます。
だから、
強い人間になろうと頑張っていたり、
言い返し方を学んで、
あとは勇気があれば・・と考えていらっしゃったりします。
だけどなかなか、強さや勇気が変わらなくて、
「その場になると体が固まってしまい言い返せない」
という状態になってしまい、
「やっぱり勇気がないのかな・・」
と自分のことが嫌になってしまいがちです。
だけど実は、
「言い返したいのに言い返せない」のは
勇気や強さの問題ではないのです。
「言い返したいのに言い返せない」の本当の原因とは
私の所でこのようなご相談をくださる方は、
過去につらい体験をされてきた方ばかりです。
お父さんやお母さん、他のご家族から、
怒られたり、否定されたり、
無視をされたりしてきて、
「そうじゃない」と言い返したり、
自分の意見を言ったりすると
さらに怒鳴られたり、
相手は不機嫌になったり・・
そんな家庭で育たなければならなかった方が非常に多いです。
そのような家庭で育つと、子どもの中では、
「本当は言い返したいけど、言い返したらダメだ」
「言い返さない方がいい」
という思考回路が勝手に作られてしまいます。
自分では気付かずに、
無意識的にです。
そして、
その考え方を持ったまま社会に出ることになり、
「言い返したいのに、言い返せない」
という生きづらさを人間関係や仕事で抱えてしまうことになるのです。
生きづらさの「根っこ」とは
このような生きづらさは、
つらい経験により作られてしまった「考え方」と
その経験に紐づいている「心の傷」に基づいています。
「言い返したいのに言い返せない」という生きづらさの
根っこになっている部分です。
この根っこがそのままである限り、
どんなに強い人間になろうとしても、
言い返し方を学んでも、
それは木で例えると幹や枝葉の部分のみを変えようとしているに過ぎません。
だから、「言い返せるようになろう」と思っても、
なかなかうまく進まないのです。
本当に大切なことは
ではどうしたらいいのかというと、
「言い返したいのに、言い返せない」
という生きづらさの根っことなっている、
「作られてしまった考え方」と「心の傷」の両方を癒していくことが大切です。
根っこが傷ついたままで元気ではない状態だと、
幹はグラグラするし、
枝葉を伸ばすこともできません。
このふたつをしっかりと癒して、根っこを回復させることが大事になるのです。
そうすることで、
「言い返せない」という状態から抜け出すだけでなく、
「言い返せない」
「言い返したい」
という次元の問題を超えて、
「おだやかに生きる」
という状態に向かって歩むことができるでしょう。
過去につらい経験をしなければならなくて
その中でここまで頑張ってきているのですから、
すでに勇気も強さもあるのですよ。
モヤモヤした思いを
根っこから着実に解消させて、
心おだやかな毎日にしましょうね。