「愛着」とは?愛着を育む子育てとは

赤ちゃんとママ

何でもすぐ人に尋ねたり、お願いが出来る人もいれば、頼みごとや誘いを断ることが出来なかったり、人の顔色を伺って疲れてしまう人もいます。

同じ人間なのに、なぜこんなに違うのでしょうか。

「断れない」

「頼めない」

「人の顔色が気になる」

「本音を言えない」

このような「生きづらさ」は、どこから来るのでしょうか。

 

「愛着」とは

愛着

人間の性格は、生まれ持った個性が半分、そして育った環境が半分により形成されると言われています。
この「育った環境」に大きく関係しているのが「愛着(アタッチメント)」です。
「愛着」は、その後の人生にも大きく影響します。

愛着とは、

「赤ちゃんの頃から、お母さん(またはその代わりとなる人)との間に育まれる、こころの結びつき」

です。

そして、この愛着は、

子どもの頃だけでなく、その子が成長してからも、その人の考えの奥底にあり、考え方や行動に影響を与えます。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)」には、下記のように書かれています。

愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、
人格のもっとも土台の部分を形造っている。
人はそれぞれ特有の愛着スタイルを持っていて、
どういう愛着スタイルをもつかにより、
対人関係や愛情生活だけでなく、
仕事の仕方や人生に対する姿勢まで大きく左右されるのである。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

こころの土台ともいえる「愛着」。

幼い頃の経験が、大人になった後も、人生における様々な事柄において、「どう考えるか」「どのように対処するか」を無意識のうちに左右しています。

 

愛着が形成される過程。~ボウルビィの愛着理論~

育つ

人生において大きな影響を与える「愛着」はどのように形成されるのか。

昔、孤児院の乳幼児の方が、一般の家庭で育つ乳幼児よりも病気の罹患率が高く、身体的、情緒的な発達も遅いことが問題になりました。

このことについて、ボウルビィは調査研究を行い、

・母と子による、母子相互作用が欠如していることが問題であること。

・赤ちゃんが育つには、少なくともひとりの養育者との親密な関係が大切であること。

を報告しました。

この報告から発展したものが、ボウルビィの「愛着理論」です。

 

愛着理論では、

愛着が形成される過程を4つの段階にわけています。

  1. 0~3ヵ月頃
    赤ちゃんは、誰にでも笑いかけたり、無差別的な反応をする。
  2. 3~6ヵ月頃
    特定の人物(愛着の対象:愛着対象)に関心を示す。
    差別的な反応になる。
  3. 6ヵ月~2歳頃
    人見知りが見られる。
    愛着が形成される。
    愛着対象を安全基地として、一定の範囲で探索行動をしたり、不安があると戻ってきたりする。
    母子分離不安、後追いが見られる。
  4. 3歳以降
    愛着対象のいない理由などを理解して、短時間ならその場にいなくても、「戻ってくる」という予測ができるようになり、気持ちの安定が保てるようになる。

赤ちゃんはこのようにして愛着が形成される中で、愛着対象をはじめとする、「自分にとって重要な関係のある人」との関わりを積み重ねていきます。
そして、

「このような場合は、こうしたらいい」

という、その子独自の思考回路の土台となるものを作っていきます。

まだ幼い段階で、その後の人生に大きな影響を与える思考回路が出来あがっていくのです。

安定した愛着が形成されると

ママと子どもの幸せ

赤ちゃんと愛着対象との間に安定した愛着関係が作られると、基本的信頼感など、こころの土台となるものが作られていきます。

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そして、自分の気持ちを伝えたり、困った時は助けを求めたりすることが自然にできるようになります。
その結果、自分を押し込めてしまったり、無理をしてしまう人に比べると、ストレスを感じることは減ります。
さらに、人間関係や仕事など、順調に進みやすくなります。

記憶には残っていなくても、安定した愛着関係により得られたものは、その後もずっと、その人のこころの土台となって残っているのです。

 

愛着障害とは

愛着

赤ちゃんが、虐待や、養育者が頻繁に変わるなどの環境で育った場合、「愛着障害」と呼ばれる状態になることがあります。

愛着障害はDSM-Vという診断基準により、大きく2つに分けられます。

ひとつは、

「反応性アタッチメント(愛着)障害」。

もうひとつは、

「脱抑制型愛着障害」

です。

 

反応性アタッチメント障害は、人に対して非常に警戒します。
人との関係を避けたり、助けを拒否したりします。

反対に、脱抑制型愛着障害は、過度に甘えたり、知らない人でも近付いてなれなれしくしたりします。
また、頻繁に助けを求めたり、注意を引こうとします。

2つは一見、正反対ですが、両者とも、愛着がうまく形成されなかったことにより、人に対してこころを開けず、「信じられない」という思いが根底にはあるのです。

ここまで重度ではなくても、愛着が不安定な場合は、「生きづらさ」として現われてくることがあります。

・いつも相手に合わせてしまう。

・人との距離感がわからなくて、心を開けない。

・嫌われたらと思うと怖くて、本音を言えない。

・自分はダメだ・・と思ってしまう。

・助けてもらうことに躊躇してしまう。

その人の愛着の形が、生きづらさや、人間関係の形に関わってくるのです。

 

安定した愛着を育む子育てとは

愛着を育む子育て

愛着を育むために、等別なスキルは必要ありません。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)」には、下記のように書かれています。

愛着がスムーズに形成されるために大事なことは、
十分なスキンシップとともに、母親が子どもの欲求を感じ取る感受性をもち、
それに速やかに応じる応答性を備えていることである。
子どもは、いつもそばで見守ってくれ、
必要な助けを与えてくれる存在に対して、
特別な結びつきをもつようになるのだ。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

抱っこ等のスキンシップを大切にすること。

授乳やおむつ替えなど、子どもが求めていることに応えてあげること。

子どもの全ての欲求に速やかに応えてあげることは、難しいこともあると思います。

しかし、日々のお母さんの赤ちゃんに対する気持ち、姿勢は、赤ちゃんに届きます。
ちゃんと伝わります。

もしも、赤ちゃんのことを可愛いと思えないような場合は、そのお母さんも、子どもの頃の心の傷を抱えたままの場合があります。
自分の傷が癒されていないままで、そのような行動に至ってしまう場合があるのです。

これは、お母さんも、子どもも、つらい、負の連鎖になってしまいます。

また、忙しすぎたり、こころに余裕がなかったりして、イライラしてしまい、子どもに怒りをぶつけてしまったり、手を出してしまう場合もあります。

「子どもを可愛がることができない」

「やめたいと思っても叩いてしまう」

「どうしたらいいのかわからない」

もしも、このような気持ちを抱えていたら、ひとりで頑張る必要はありません。

どこに相談したらいいのかわからない、助けを求めたらいいのかわからない、という時は、こちらに連絡をくださっても構いません。

前を向くイメージ

「愛着」は、まだ幼い時に、お母さん(またはお母さんの代わりとなる人)との関係により育まれていく、とても大切なものです。

今子育て中のお母さんは、出来る範囲で、素敵な愛着関係を育まれてください。

「どうしたらいいのかわからない」と悩んでいらっしゃる方は、どうかひとりで抱え込まずに、相談をしてください。

「負の連鎖を断ち切る」と頑張られているお母さん、こころから応援いたします。

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

ご感想などありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお送りください。

今日も穏やかな一日になりますように・・・

(*^_^*)

 

参考文献:愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

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