「自分の気持ちがわからない」

「自分の本当の気持ちがわからない」
「怒っていいのか、喜んでいいのか、感情を出すことに悩んでしまう」
「まわりの人に合わせすぎて、自分の気持ちを置き去りにしてしまい、気付くとストレスや疲れを抱えている」
このようなことはありませんか?
今回は、
「自分の気持ちがわからない」
という方へ、「心の声を聞く」ためにはどうしたらいいのかをお伝えしたいと思います。
「心の声」とは

まず、「心の声」とは、
「嬉しい」
「楽しい」
「幸せだ」
「悲しい」
「つらい」
「腹が立つ」
などの感情や、
「○○がやりたい」
「○○をやりたくない」
「○○になりたい」
「○○がほしい」
といった、あるものごとや状態に対して抱く気持ちのことです。
「自分の気持ちがわからない」
というのは、このような「心の声」が聞こえなくなっているということですね。
幼いころは「心の声」は聞こえていた

だれでも、幼いころは確かに、「心の声」は聞こえていました。
たとえば、あかちゃんは何かあったら、泣いて知らせてくれます。
「嫌だよ!」
「怖いよ!」
など、感じたままを教えてくれますね。
そして、2、3歳になると言葉を使って、
「あのおもちゃがほしい!」
「これは食べたくない!」
と、自分の気持ちをまわりの人に伝えることができるようになります。
このようにして、子どものころはみんな、ありのままの感情を感じて、それを外に出していたんです。
なぜ「自分の気持ちがわからない」になってしまったのか

では、なぜ、小さな子どものころはできていたのに、今は自分の気持ちがわからなくなってしまったのでしょうか?
それは、育った環境にあることがとても多いです。
たとえば、保育園や学校で嫌なことがあり、親に伝えたとします。
「それは悲しかったね」
「嫌だったね」
と気持ちを認めてもらえるような環境だったら、子どもは、
「悲しい」
「嫌だ」
といった自分の感情を表す言葉を身に付けながら、
「こういう気持ちは親に言って大丈夫」
と学んでいきます。
そしてその後も、同じような気持ちを感じたときは、
「悲しかったんだ」
「嫌だったんだ」
と自分の感情を認めながら、成長していくことでしょう。
自分の気持ちを認めてもらえないと

しかし、嫌なことがあって親に伝えても、
「そんなこと言うなんて、あなたは弱い」
「だからダメなのよ」
と気持ちを認めてもらえずに否定されたり、
親が不機嫌になってしまったり、ということを繰り返していたら・・・
「こういう感情は持っちゃダメなんだ」
「言わない方がいいんだ」
と、本当は感じているありのままの気持ちを、自分でなかったことにしたり、受け取らないようにしたりするようになってしまいます。
心にふたをしなければならない状況があったから

「自分の気持ちがわからない」のは、
なにかしらの「心にふたをしなければならない状況」があったからです。
ご相談者さまからお話を聴いていると、気持ちにふたしなければよくないことが起きたり、自分が傷ついたりするような環境だった方がとても多いです。
そして大人になっても、その頃のまま、自分の気持ちにふたをする習慣がついているので、「生きづらさ」につながってしまうのです。
「心の声」を聞くために

もう一度、心の声が聞こえるようになるには、少しずつ、自分の気持ちを感じるようにしていくことです。
そのために、カウンセラーや気の許せる家族など、話を聴いてくれる人に、あなたが話したいことを聴いてもらうのはとても良い方法です。
ありのままの気持ちを、否定も評価もせずに聴いてくれる人がいいでしょう。
言葉にして、あなたが抱えていることを外に出していくと、心のふたは少しずつ開いていきます。
ふたが開いてくると、いろいろな「感情」が出てきます。
ずっと心の中に閉じ込めていた気持ちに気付かなくて、その大きさに驚かれる方も少なくありません。
それくらい大きな感情を、一生懸命、閉じ込めてきたんですよね。
これ以上増やさないために、今、感じている気持ちも、ふたをしてしまわないで、外に出した方がいいのです。
自分軸の生き方に変わる

心の声を聞き、自分の気持ちを大切にできるようになると、
自分はどんなときにしあわせを感じるのか、
どんなことに対して悲しくなり、腹が立つのかがわかってきます。
さらに、今まではまわりの人がどう思うかが気になって、自分の心を置き去りにしていたのが、
「自分はこう感じるから、こうしよう」
と自分の心を基準にして考え、行動できるようになっていきます。
自分軸の生き方へと変わっていくんです。

こちらでは、
「自分の心の声を聞くこと」
を大切にしています。
なぜなら、「自分らしい、おだやかな生き方」をするための土台となるからです。