社会人として一人前にならなきゃ
「社会人として一人前にならなきゃ」
「もっと認められるような人間にならなきゃ」
そんなふうに頑張り過ぎていませんか?
焦っていませんか?
このような気持ちを吐露してくださる方は少なくありません。
多くの場合は他の問題やお悩みで相談室そら来られて、
お話していくうちに、
「実は・・」と気持ちを教えてくださいます。
「周りの人はできているのに」
「自分ももう社会人なんだから」
「早く人として一人前にならなきゃ」
そんな、なかなか言えない気持ちを抱えながら頑張り続けている人は、
実はそれなりにいらっしゃるのではと思います。
このような気持ちの背景にあるものはひとりひとり違います。
そのため、一概に「こんなことが原因だよ!」「こうしたらいいよ!」とコラムで書くことは難しいのですが、
プレッシャーや不安、焦りが心身に与える影響は大きいため、
そのままでは大切な毎日がずっとつらい状態であり続けてしまうこともあるでしょう。
ですので今回は、
「社会人として一人前にならなきゃ」
「もっと認められるような人間にならなきゃ」
そんなふうに感じて頑張り過ぎたり、焦ったり、苦しくなっている人に向けて、
知ってほしいことを3つにまとめてお伝えしたいと思います。
①あなたにとって「社会人」とは?
まず、少し考えてみてくださいね。
あなたにとって「社会人」とは、どのような人たちのことを指しますか?
私が20代の頃、ある知人が
「社会人なんだから、~しなよ」
「もう社会人なんだから、~はできて当然でしょ」
と言っていて、とても違和感があったのを覚えています。
社会人って、どんな人のことを言うの?
それって、誰が決めたの?とモヤモヤしたのです。
少し調べてみるとわかりますが、
「社会人」というのは抽象的な言葉です。
そこに含めている意味や定義、考え方は人によって異なる場合があります。
「社会人」という言葉を否定するつもりはありません。
ただ、言葉だけがひとり歩きして、
あいまいな意味なまま自分を縛り、追い込み、心身をつらくしていることは良くあるように感じます。
自分はどんな意味でその言葉を使っているのかな?
あいまいな意味なまま、自分を追い込んでいないかな?
と考えてみることも大切ではないでしょうか。
②認められたい気持ちに振り回されていませんか?
「社会人として一人前にならなきゃ」
と頑張り過ぎている人の中には、
「○○に認められるように」
「○○に認められなきゃ」
とだれかに認められるために頑張っている方もいらっしゃいます。
もちろん、それは悪いことではありません。
その気持ちがモチベーションになり、
自分自身のスキルアップや成長につながることがあるからです。
ただ、あまりにも「認められたい」気持ちが強過ぎると、
相手の基準や考え、気持ちに振り回されて心が疲れてしまうことがあります。
「社会人として」もそうですが、
自分にとってプラスになっている場合は問題無いのです。
でも、自分を責めたり、大きなプレッシャーになったり、
自己否定を繰り返してしまうような毎日がつらくなる原因がそこにありそうなら、
一度立ち止まり、
「自分は何に対して頑張っているのかな」
「どうしてそんなに焦っているのかな」
と自分の軸となる部分を見つめ直してみることも大事ではないでしょうか。
③自分にOKを出せていますか?
何かを始めたばかりなら、最初はできなくて当たり前です。
わからなくて当たり前でしょう。
人ぞれぞれ、個性や得手不得手がありますから、
何年もやっているけど、やっぱり苦手だ、ということもあるでしょう。
私ももう10代から触れているのに、デジタル機器はいまだに得意ではありません。
あまりに完璧を目指し過ぎると苦しくなってしまいます。
努力することは大切です。
だけど、自分にOKを出してあげることも大事ですよ。
あいまいな定義に自覚なく縛られていたり、
だれかの基準やルールに振り回されていたり、
完璧を求めすぎたりしていると、
心や体を病んでしまうことがあります。
私自身もそうだったから
その頑張る気持ちはとてもわかるのですが、
心や体を病んでしまったら、それこそ回復するためには多くの時間が必要になってしまいます。
それではやはり、つらいのではないでしょうか。
プレッシャーや焦り、不安から心がしんどくなっていたら、それは立ち止まるサインです。
自分自身と向き合いながら進んでいきましょう。