心の箱を開ける
先日、ご相談者さまからご感想を頂きました。
その中に『涙が止まらなくなるほど自分の心が開かれたのは初めて』という言葉があり、
この体験がすごく大切だと感じました。
よく「心の箱を開ける」という言葉がありますが、
これはその体験をしたことがある人だからわかることだと思います。
「こんな感じで自分に変化が起きることがあるんだ」
と知ることができたらきっと参考になると思い、こちらにご感想の掲載をお願いさせて頂きました。
ということで、
今回は「心の箱を開けること」について、お話してみようと思います。
心の箱とは
人は心の中に、「箱」を持っていることがあります。
その箱の中に私たちはいろいろな感情を入れて、
その感情が出てこないように蓋をしてしまいます。
出てこないように、
蓋の上から大きな重りを乗せたり、
鎖でぐるぐる巻きにしてしまうこともあるでしょう。
そうしなければ出てきてしまほど、
大きな感情が入っているのかもしれません。
でも、どんなに出てこないようにしても、
その箱が消えるわけではなく、
心の中にはあり続けます。
だから時には、外からの刺激により中の感情が漏れ出して、
心が不安定になることがあるかもしれません。
心がザワザワしたり、理由のわからない不安感に襲われたりすることもあるかもしれません。
もしかしたらその原因は、
箱の中にあなたの『大切な感情』が入ったままで、
その箱を抱え続けているからかもしれません。
このような場合、感情を箱に入れて蓋をしているその人が悪いわけではありません。
理由があって、
感情を「箱」にしまい続けるしかなくて、
自分でもそんなに重いものを抱えているとは気付かないまま大人になる・・
そしてそのまま歳を重ねていることはよくあることだと思います。
「心の箱」は「パンドラの箱」
「心の箱」は「パンドラの箱」のようなものです。
何が出てくるかわかりません。
本当は寂しかった。
悲しかった。
傷ついた。
怖かった。
腹が立った。
嫌だった。
逃げたかった。
本当は~してほしかった。
本当は~したかった。
こんな思いが出てきたりします。
心の奥にある、その人の大切な、大きな思いですから、
箱が開き、その思いが出てくると心は大きく動きます。
涙が出ることもあるし、
怒りや悲しさがあふれてくることもあるでしょう。
あなたの心の声に耳を傾けてみる
私自身も、自分と向き合う中で大きな感情が出てきた時、
「自分の中には、こんな気持ちがあったんだ」
「まだ、こんな思いがあったんだ」
と驚いたものです。
そのくらい、人は気付いていないのです。
心の箱は、
必ずしも今すぐ、無理やりに開けなければならないものではないと思います。
開けるのはその人のタイミングがあるし、
開けるか開けないかも、その人の状況が関係してくるでしょう。
でも、
『もしかしたら自分の心の中にもそんな箱があるのかもしれない』
と自分に意識を向けてみることも大切かもしれません。
世の中にたったひとりしかいない「自分」です。
その「自分」のつらかったことや大変だったことは、
きっと自分が一番よくわかっていますよね。
意識を向けることで気付くこともあります。
自分の心の声を大切にしながら生きましょうね。