母に対してどうしたらいいのかわかりません。
![母にどう接したらいいのかわかりません](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2019/08/ea16f60150875d248b0b5ba985ebb881_s.jpg)
Aさん(仮名)
母に対してどうしたらいいのかわかりません。
母とは普通に話したり、出かけたりすることもあるのですが、
母の機嫌が悪くなってしまった時は愚痴を言われることがあり、
その愚痴を聞くことが私の役目のようになっています。
下に弟がいますが、弟は成績が良くなく全然勉強をしません。
進学のための勉強をしないので、そのことで母とぶつかり、言い合いになってしまいます。
そして、その愚痴を聞くのが私の役目のようになっています・・
正直、愚痴は聞いていてもいい気分にはなりません。
だけど、親の機嫌が悪いと何言われるか分からなくて怖いですし、
火に油を注ぐことになるかもしれないと考えると、自分が思ってることはあまり言えません。
私はどうしたらよいのでしょうか。
*ご相談者さまから許可をいただいて掲載しています。
*個人が特定できないように、省略または変更しています。
このようなお悩みは、ご相談の場では年齢を問わずよく聞かれます。
外からは見えない家の中で、周りの人は気付かないけれど、
本当はいろいろな問題が起きていることもあるのですよね。
家族の問題だからこそ、気軽にだれかに話すことが難しいこともあるでしょう。
こんなとき、どう考えて、どうしたらよいのでしょうか?
子どもは【親の思うようにできる所有物】ではない
![子どもは【親の思うようにできる所有物ではない】](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2021/02/3286400_s.jpg)
まず、一度状況を客観的に観てみましょう。
お母さんは進学のために、弟さんに対して、
「もっと勉強をしてほしい」
「もっとやる気を出してほしい」
と思っていらっしゃるのかなとお察しします。
だけど弟さんは勉強をしない、
それでお母さんはイライラして、弟さんとぶつかってしまうのですね。
ここでひとつ疑問なのですが、弟さんはどう思っているのでしょうか。
![](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2021/02/4435737_s.jpg)
進学をしたいと思っているのでしょうか?
そのための勉強をしたいと思っているのでしょうか?
もしも弟さんが進学にはあまり興味が無いとか、勉強はやりたくないなどと思っているなら、
お母さんとぶつかってしまうのは当然のことかもしれませんよね。
弟さんには弟さんの気持ちや考えがあり、人生があります。
「お母さんの希望」と同じではないこともあるでしょう。
弟さんの進路であって、お母さんの進路ではありません。
![](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2024/01/1672138_s.jpg)
子どもが小さい頃は、子どもの身を守るために、
親は叱ってでも子どもを言う通りにさせなくてはいけないことがあります。
そして子どもも、親をモデルとして大きくなりますから、
親の思い通りにしやすいこともあるかもしれません。
だけど、成長に伴い、子どもは自分独自の価値観を築いたり、
やりたいことを持ったりします。
そうすると、親と合わないことが出てくるのも当然であり、
それは「それだけ子どもが成長した」という証でもあります。
子どもは【思い通りになる親の所有物】ではありません。
はっきりした弟さんの気持ちがわからないので必ずそうだとは言い切れませんが、
もしかしたら今回の場合は、
「~になってほしい」という「お母さんの子どもへの希望」が強くて、
それが子どもと同じではなくて・・
お母さんは自分の望むようにならないことにイライラして、
弟さんと言い合いが起きているのかもしれませんね。
相手の問題に踏み込んでいませんか?
![相手の問題に踏み込んでいませんか?](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2024/02/26552113_s.jpg)
このような、親の希望が強いことにより子どもとぶつかってしまうことは、本当に良くあります。
親自身も気付いていないことが多いです。
ではもしも、お母さんは「自分の希望するように子どもを動かしたい」という気持ちが強くて、
だけど、それがうまくいかなくて腹が立って、
そのイライラを愚痴としてAさんに言い、Aさんが愚痴の聞き役をすることが当たり前のようになっているとしたら・・
なんだかおかしなことが起きていると思いませんか?
進学は本来、弟さんの問題です。
お母さんは過剰に、弟さんの領域に入り込んでしまっているのかもしれません。
そして、思い通りにならないことで湧いてくるお母さんのイライラの感情を
Aさんが聞いてあげることが当たり前になっているなら・・
Aさんは、お母さんが自分で生み出している感情のフォローをすることが当たり前になっているということ。
家族だから助け合うことは大切です。
時には家族に愚痴を聞いてもらうことも、感情のフォローをしてもらうこともあるでしょう。
だけど、基本的には自分で生み出した感情は自分のものであり、その責任は自分にあります。
小さい子はそれが難しいので親にあやしてもらいますし、
落ち込んでいる人を励ましたり、思いやりから話を聞いたりと例外もたくさんありますが、
基本は【自分の感情のお世話は自分でするもの】です。
なぜなら、自分の感情は自分が生み出していて、その持ち主は自分だからです。
Aさんが、お母さんの感情のフォローをすることが当たり前のようになっているとしたら、
それは「お母さんの問題に入ることが当たり前のようになっている」のかもしれません。
お母さんは弟さんの問題に踏み込み過ぎていて、
Aさんはお母さんの問題に入り、フォローすることが当たり前になっている、
この問題にはこんな構図があるのではないでしょうか。
思い通りにしようとするのか?信頼するのか?
![思い通りにしようとするのか?信頼するのか?](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2024/01/4792578_s.jpg)
子どもが、親の思い通りにならないことは多いです。
親子であっても別の人間だからです。
子どもには子どもの意思があり、人生があり、望むことがあります。
それを親も学んでいく必要があります。
子どもが自分で考えられる年齢になっても自分の思い通りにしようするのか?
それとも、子どもを信頼をして任せるのか?
この差は非常に大きいです。
小さい頃からの積み重ねは、成長とともに大きな変化となります。
親が自分の領域に入ってきていたり、
子どもが親の領域に入っていることに気付かないまま大人になることもあります。
子どもにとって家庭で学んだことは大きな影響を持ちます。
掘り下げてみたら、そのような体験が生きづらさに繋がっていることもあります。
生まれた時からその環境にいると、自分で気付かない場合も多いです。
「何が起きているのか?」
「だれの問題なのか?」
第三者に状況を客観的に見てもらうことも大切です。
親との距離感を考える
![親との距離感を考える](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2021/01/24739880_s.jpg)
では、Aさんはどうしたら良いのでしょうか。
一番良いのは、可能であればまずは、Aさんの気持ちを他の家族に相談することだと思います。
ただ、このような状況になるのはそれが難しいから起きている場合が多いです。
お父さんは不在だったり、
子育てに関与していなかったりなどです。
ですので、もし他の家族に相談することが難しい場合は、
お母さんと少し距離をとるのが良いかもしれません。
ひとり暮らしでもいいし、外に出て自分の時間を大切にするのでも良いでしょう。
いろいろな人と出会う中で、さまざまな価値観や考え方を知り、新しい視点で物事を見ることができるようになることもあると思います。
もし可能なら、愚痴を聞けない時は「聞けない」と伝えて離れるのも良いと思います。
少しずつ、距離を取っていくのが良いと思います。
大事なことですが、これはお母さんを見捨てるわけじゃなく、
『お母さんの問題に入り過ぎない』
『お母さんを大切にしたいのであれば、自分ができる範囲でお母さんを大切にする』
ということです。
自分の心に余裕がある時や、聞いてあげようと思う時は、
お母さんの愚痴を聞いてあげるのも良いと思います。
でもその時も、誰の問題なのか考えて、
自分がつらくなるのが当たり前のように、お母さんの問題に入り込まないことです。
![](https://sola-counseling.com/wp-content/uploads/2022/03/23303699_s.jpg)
とはいえ、どう距離をとっていったらいいのか、
「小さい頃からそれが当たり前」のように生きてきた人や、アダルトチルドレンさんの場合は難しいこともあると思います。
具体的な状況はひとりひとり違います。
答えも違います。
あなたの場合はどうしたらいいかな、ということをお話しできたらと思いますので、
「どうしたらいいのかわからない」という方はお気軽にご連絡ください。
愚痴を聞くことはエネルギーを消耗します。
「愚痴を聞くのがつらい」
その心の悲鳴を大切にして、あなたの心を守ることも考えていきましょう。