「変われない」「踏み出せない」
「いつも、
人の顔色をうかがって、
相手の意見に合わせて、
気を遣って・・
仮面をかぶり続けている自分に疲れてしまう。
もうこんな毎日は嫌だ。
だから、これからは自分らしく生きよう。
自分の意見を言って、
頼みごとも断ろう」
そう心に決めたのに、いざその場になると、
「意見を言おう!」
という気持ちはあるのに、
大きな不安や怖さが襲ってきて、
体が固まってしまう。
そして、
「できなかった・・」
と家でひとり反省会。
「変わりたい」
「踏み出したい」
と
「変われない」
「踏み出せない」
の間でつらくなっていないでしょうか?
まるで、アクセルとブレーキを全力でかけているような状態にいるのは、
心のエネルギーをたくさん使って、
なかなかよい結果にもならなくて、
とてもつらいですよね。
どうして
このような状態が起きてしまうのでしょうか?
無意識下にある「心のブレーキ」
どうして、
「変わろう」
「踏み出そう」
と思っているのに、
「変われない」
「踏み出せない」
のか、
それは、
心の奥深くに「ブレーキ」があるからです。
「変わろう」
「踏み出そう」
と考えていることは意識的なことですよね。
「心のブレーキ」はもっと心の深い所にある、
無意識的な部分にあります。
よく、
ご相談に来られる方は、
「勇気がないから」
と言われますが、
勇気の問題じゃないのです。
だから、自分を責めないでくださいね。
どうして「心のブレーキ」があるの?
「心のブレーキ」はとても大きな力を持っています。
だから、このブレーキがある状態では、
「変わろう」
「踏み出そう」
といくら思っても、
漠然とした不安や怖さが襲ってきたり、
体が固まって声が出なくなったりしてしまいます。
どうしてこんなブレーキがあるのか?
不思議ですよね。
実は「心のブレーキ」は
あなたの今までの経験から、
必要があって作られています。
必要というのは、
「もう同じ思いをしたくない」
「傷つきたくない」
「愛されたい」
そんな強い思いです。
過去の悲しい経験
たとえば、
「親に自分の意見を言ったら、ばかにされた」
「『えらそうなこと言うんじゃない!』と怒鳴られた」
子どもの頃にそんな経験をしたら、
とても傷つきますよね。
だから、
子どもは学習します。
「もう同じような経験はしたくない」
「だから、
自分の意見や気持ちは言わないでおこう」
と考え、行動するようになります。
そうすることで、
親からばかにされることも、
怒鳴られることもなくなり、
傷つかなくて済むからです。
これが
「心のブレーキ」
であり、
大人になった今でも、
心の中で働き続けているのです。
もう悲しいことを言われたり、
否定されたり、
怒鳴られたりして、
傷つきたくないのですよね。
アダルトチルドレンさんは
このような「心のブレーキ」が複数ある方も
たくさんいらっしゃいます。
そして、複雑にからまり、
「生きづらさ」
の原因にもなっているのです。
心の中から変えていく
「心のブレーキ」は、
このような理由から、
とても強力です。
心の奥深くにある気持ちなので、
「大丈夫」
「変わろう」
と考え方を上書きしたところで、
心の底の不安や怖さに飲み込まれてしまいます。
「変わる」
「一歩踏み出す」
ためには、強引に上書きしようとしてもダメなのです。
「北風と太陽」
のお話に似ています。
変えるためには、
力づくで上書きをするのではなく、
心から、
「大丈夫」と思えることが大事なのです。
「心が安心できる場所」を持つこと
そのためにどうしたらいいのかというと、
まずは、
「見捨てられない」
「自分の気持ちを出しても大丈夫」
「否定されないし、怒られない」
このような、
「自分の気持ちを安心して出せる、安全な場所」を作りましょう。
カウンセラーでも家族でも友達でも構いません。
アダルトチルドレンさんの場合は、
さまざまな思いを抱えていますから、
カウンセラーなど専門的な人をおすすめします。
このような安心、安全な場所で、
抱えている気持ちをやさしく見つめていくこと。
そして、
あなたの中にある「心のブレーキ」に気づくことが
大切です。
安心感を持ちながら、
「心のブレーキ」をゆるめて、
「大丈夫」
という感覚を養っていくことで、
「変わっても大丈夫」
「一歩踏み出しても大丈夫」
という気持ちが、
自然と心の中から生まれてくるようになります。
そうすることで、
無理なく前へ進み、
相手に気持ちを伝えたり、
自分らしく生きれるようになったり、
本当に自分に合う友だちと巡りあえたりします。
よい循環が始まるのです。
「心のブレーキ」がかかっているときは、
やさしくゆるめていきましょうね。