母親を重たいと感じてしまう

「母から連絡がくる。
『一緒にお茶しよう』
『ご飯を作るから食べに来て』
『今夜は電話しよう』
子どもの頃は仲良しで、母が大好きだった。
もちろん今も嫌いではないし、とても大切な存在。
だけど本当は、
重たいと感じてしまう時がある。
母のことは大切にしたい。
親孝行もしたい。
その気持ちがあるのに、
母といると疲れてしまう自分がいる。
なんだかそれが良くないことのように感じられて、
すごく嫌な気持ちになる。

母ともう少し距離をとった方がいいのかな・・?
誘いを断ってもいいのかな・・?
答えが見つからなくて周りの人に相談したら、
『親の話くらい聞いてあげたら?』
『親孝行してあげなよ』
と言われてしまった。
母親を大切にできない自分は冷たい人間なのかな・・
親不孝者なのかな・・
『子ども失格』の烙印を押されたようで、
すごく悲しくなった。
私はいったいどうしたらいいのだろう」
・
・
・
このような状況で悩んでしまうことはありませんか?
「お母さん」というのは、
子どもにとって特別な存在ですよね。
あとで触れますが、
そんな特別な存在であるお母さんへの思いと、
さまざまな要因が絡み合って、
子どもは頑張り過ぎてしまうことがあります。
もしあなたが、
「疲れた」と感じているなら、
きっともう「疲れた」と感じるくらい、
頑張っているのですよね。
だけど、
母親のことを嫌いなわけではなくて、
大切にしたい気持ちもあって・・
あなたの心の中にはこんな、
いろいろな気持ちがありませんか。

「母親」というのは、
子どもにとってとても近い、特別な存在です。
たくさんの思いがあって、
小さな頃から一緒に過ごしているがゆえに
子どもは気持ちがつらくなっていても、
「このくらい普通なのかな?」
「自分が良くないのかな?」
「問題にするほどじゃないのかな」
と、どう判断したらいいのかよくわからない時もあると思います。
親のことをたくさん考えて、
親のために動いて、話を聞いて、
頑張り過ぎてしまうこともあるかもしれません。
今回は少し長くなりますが、
母親との関係に悩んでいる方に向けて、
どうしたらいいのかお伝えできたらと思います。
まず、
客観的に観ることが難しい「お母さんとの関係」を自分で再確認するために、
4つの質問を用意しました。
あなたとお母さんとの関係を振り返ってみてくださいね。
①お母さんの話ばかりになっていませんか?

いつも、お母さんの話を聞く一方になっていませんか?
自分の話もちゃんと聞いてもらっていますか?
「私は昔から、話を聞く役」
といったことを教えてくださる方もいらっしゃいます。
そんな役割がいつのまにか
お母さんとの関係の中にできていて、
「それが当たり前」になっていませんか?
②あなたの気持ちを大切にしてもらっていますか?

あなたはお母さんに、
あなたのそのままの気持ちを伝えることはできていますか?
その気持ちを大切にしてもらっていますか?
「母親に本当の自分を見せることができない」
という方も少なくありません。
伝えたとしてもわかってもらえなかったり、
否定されたり、
流されたり・・
そんなことが起きていて、
悲しくなっていませんか・・?
③お母さんを支える役目になっていませんか?

お母さんの愚痴や不満を聞く役目になっていませんか?
お母さんの味方になり、
肯定するような態度をとらないと、
お母さんが精神的に不安定になったり、
怒ったりしてしまう・・
そんな問題を抱えていないでしょうか。
子どもがいつのまにか、
「お母さんを支える役目」になっているケースは多いです。
小さなころから「それが当たり前」になっていて、
そのまま大人になり、
その役目をし続けていないでしょうか。
このようなケースは、
下のような家庭環境で育った場合によく見られるように感じます。
・なんらかの事情により、自分のことよりもお母さんを優先させなければならなかった。
・お母さんの心が不安定だったため、自分が支えなければならなかった。
・他の家族がお母さんを批判したり、怒ったりするため、自分がお母さんを守らなければならなかった。
あなたの場合はどうでしょうか?
④お母さんからの誘いを断ったり、意見したりすることができていますか?

お母さんからの誘いを断ると
『親が誘っているのに断るなんてひどい!』
と責められたり、
自分の考えを伝えたのに、
『あなたの意見を聞きたいんじゃない』
と怒られてしまったりすることはないでしょうか?
あなたにはあなたの生活がありますよね。
お母さんの要望が断れなくて
無理をしてしまうと、
自分の生活に支障が出てしまうこともあるでしょう。
また、
意見をしても聞いてもらえなくて、
本当は傷ついているのに、
その傷ついた気持ちを隠しながら、
お母さんに合わせることを続けて頑張っているような場合もあります。
このようなことが重なると、
どんどんストレスが増えていってしまい、
心がつらくなってしまうこともあるでしょう。
4つの質問を書きました。
①お母さんの話ばかりになっていないかな?
②あなたの気持ちを大切にしてもらっているかな?
③お母さんを支える役目になっていないかな?
④お母さんからの誘いを断ったり、意見したりすることはできているかな?
もしひとつでも当てはまった場合は、
お母さんとの距離感、親子関係のバランスが崩れている可能性があります。
「しんどいな・・」と感じていたら、
一度立ち止まってみるのが良いでしょう。
*「親が怖い」という感覚がある場合は、こちらも参考になると思います↓
子どもが追い詰められてしまう背景にあるのは

このような母親との関係でつらくなってしまう背景には
さまざまな理由があります。
たとえば、家族の立場上、
「自分が頑張らなければならなかった」
「今も自分がなんとかしなければならない状況だ」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分がなんとかしなければならない

家庭によっては、
「母親を支えられるのは自分しかいない」
「自分がなんとかしなければ、母親が大変なことになってしまう」
そんな環境もありますよね。
特に、
- ひとりっこ
- 長女、長男
- 長女、長男ではないが、何らかの理由により、長女、長男の役割をしなければならない人
このような立場の人は
小さい頃から頑張り続けている場合があります。
大人になった後も、
そのまま頑張り続けていないでしょうか。
相談できる人がいない

また、お母さんとの距離感やストレスの問題は、
なかなかだれかに話すことが難しい場合も多いです。
そうすると、
親との問題は「自分の心の中だけ」にしまっておかなければならなくなり、
子どもはひとりで耐え続けなければならなくなってしまいます。
子どもには子どもの気持ちがありますから、
それではつらいですよね。
まわりの共感が得られない

さらに、
「もうどうしようもなくて、
勇気を出してまわりの人に相談してみた。
だけど、
『親孝行してあげたら』
『話くらい聞いてあげなよ』
『仲良くていいね』
などと言われてしまった・・」
こんなお話も多いです。
相手に悪気はないかもしれませんが、
そう言われると子どもはつらくなってしまいますよね。
「自分は親不孝なのかな」
「冷たい人間なのかな」
と不安になり、
傷ついてしまうこともあるでしょう。
そして、
このような体験から、誰かに話すことに抵抗ができてしまい、
ひとりで問題を抱えてしまう場合もあります。
あなたが悪いわけではなく、
また、決してあなたの親への気持ちが薄いとか、
親不孝だとかではなく、
子どもだってこんな状態ではつらくなってしまうのも当然だと思います。
だけど、
親を大切に思う気持ちもあるから、
頑張り過ぎたり、
葛藤したりして、つらくなってしまうのですよね。

では、
「母親のことを大切にしたいけど、
疲れてつらい」
このような場合はどうしたらいいのでしょうか?
大事なことを2つ書きますので、
ぜひ参考にしてください。
1.あなたが安全に話せる場所を作ること

まず、あなたにとって一番大切なことは、
「あなたの気持ち」を安全に話せる場所を作ること。
これが一番大切です。
「母親のことを重いなんて言ったら、
きっと『親不孝者』と言われる」
「人間性を疑われてしまうかもしれない。
だから、誰にも相談できない」
こんな気持ちはありませんか?
本当の気持ちを外に出せないまま我慢して、
ひとりでお母さんを支え続けるのはとても大変なことです。
ストレスや疲れはどんどん蓄積されていきます。
心からあふれたストレスや疲れは、
体にも影響を及ぼします。
「母からのメールやLINE、電話がくると
動悸がしてしまう」
「母に会うと疲れて何もできなくなってしまう」
こんなことになってしまう場合もあります。
あなたの心と体を守るために、
まずはあなたの気持ちを安全に吐き出せる場所を作りましょう。
そして、
これ以上ストレスや疲れを増やさないようにしていきましょう。
もしも、
「安全に話せる場所なんて無い」という場合は、
私の所でも大丈夫です。
ひとりで抱え続ける必要はありませんからね。
2.自分の気持ちを大切にできるようになること

「お母さんの話を聞くの疲れたな」
「会いたくないな」
そんな気持ちを持つ自分は、
なんだか良くない人間のように感じていませんか?
それは、自分の気持ちを大切にできていないのかもしれません。
もしも、
「頭ではわかっているけど、
なかなか自分の気持ちを大切にすることは難しい」
と感じていたら、
「過去の経験による心の傷つき」や「どこかで作られた考え方」が
今もそのままになっているのかもしれません。

「心の傷」や「どこかで作られた考え方」がそのままになっていると、
同じことの繰り返しに陥りやすくなります。
だから少しずつ、
「心の傷」と「考え方」を整えながら、
自分を大切にできるようにしていきましょう。
これは本当に大切なことですよ。
その過程では、
さまざまな葛藤や気持ちが出てくるかもしれません。
悲しさや切なさ、怒りなどがあふれてきてしまうこともあります。
だから、
先にお伝えしたように、
「あなたが安全に話せる場所」が大切になるのです。
私もそうでしたが、
ひとりではつらくなってしまう時もあります。
相談室そらは「あなたが安全に話せる場所」です。
つらくなった時や、
どうしたらいいのかわからなくなった時はいつでもご連絡ください。
「お母さんとの距離感はどうしたら一番いいのか?」は
自分自身と向き合い、
自分のことを大事にできるようになってくると、
自然とあなたの中から
「あなたに一番合う答」が導き出されることでしょう。
そのためのお手伝いを、
私もていねいにさせていただきます。
まずは「安全に話せる場所」を作り、
これ以上あなたの負担やストレスを増やさず、
心を楽にしていくことから始めましょうね。