「自分もそうやって育てられた」
先日、姉妹相談室である「なないろ」に
【子どもを条件付きでほめていませんか?】
というコラムを投稿しました。
こちらのコラムは、子育て中のお母さんのために、
子どもへの接し方の参考になるようにと書いたものですが、
「実は自分もそうやって育てられたんです」
というご感想を頂きました。
(ご感想を頂いた方に許可をいただいて掲載しています。)
条件付きでほめられたり、怒られたりしてきたことによる生きづらさを抱えている方は、とても多いように感じます。
今回は、生きづらさに悩まれている方のヒントになるように、
少し視点を変えて大切なことを書いてみようと思います。
気持ちをわかってもらえなかった、認めてもらえなかった
相談室そらでは
良い点数を取ったときはほめられたけど、
点数が取れなかった時は怒られた。
頑張ったけど点数が思うように上がらなくて、何度も怒られた。
親の薦める学校に行くことができなくて、
ため息をつかれた。
何度もダメ出しをされた。
親をがっかりさせてしまった。
自分は「だめな子なんだ」と思った。
誕生日や母の日にプレゼントを渡した。
だけど親は、「こんなものいらない」と不機嫌になってしまった。
「弟は~をくれるのに」と兄弟姉妹と比較されて、とても悲しかった。
このようなお話をお聞きすることがあります。
どれも、本当に悲しくなってしまいますよね(T_T)
実は私も、
「親と一緒に喜び合いたい」
「親に喜んでほしい」
そんな思いで頑張ったことを伝えたのですが、
その成果では不十分だったようで、
「だからあなたはだめなんだ」と言われてひどく傷ついた経験があります。
「気持ちをわかってもらえなかった」
「認めてもらえなかった」
このような出来事は、子どもの心には深く残ってしまうこともあると思います。
あなたはそのような経験、ありませんか?
「条件付きのほめ方」とは
条件付きのほめ方とは、たとえば、
- 親の期待通りにできたか?
- 親の意に沿うような言動、選択をしたか?
- 親の思う通りの成果を出せたか?
というように、
親の条件に応えられている時はほめる、といったほめ方です。
そして、親の期待通りにできなかったら怒ったり、
不機嫌になったりしてしまうのです。
【アダルトチルドレン+HSP】さんの中には、
このような接し方をされながら育ったきた方は多くいらっしゃるように感じます。
HSPさんの場合
HSPの気質は関係がないように思うかもしれません。
しかし、HSPさんは周りの人の感情に敏感で、
小さな変化にも気付く気質です。
親の態度から敏感に気持ちを察知し、
「自分が期待に応えられなかったから、怒らせてしまった」
「自分のせいで機嫌が悪くなってしまった」
と感じてしまうことも多いのではないでしょうか。
また、HSPさんは怒られることが非常に苦手な傾向もあります。
怒られたり、家族が不機嫌になってしまうことをつらく感じてしまいやすいのです。
だから、「怒らせないように」「不機嫌にならないように」と、
敏感なアンテナをさらに敏感にして、
気を付けて一生懸命に努力する・・
このように頑張って生きてきたHSPさんも少なくありません。
条件付きのほめ方をされていると
このような条件付きのほめ方を繰り返しされていると、
~しなければならない
~な自分でいなければならない
~してはいけない
といった強いルールが自分の中に作られてしまうことがあります。
たとえば、
- 小さなミスもしてはいけない
- 自分の力で完璧に成し遂げなければならない
- 「いい子」でいなければいけない
- 良い評価をとらなければならない
- 何事もがんばらなくてはいけない
- 休んではいけない
- 人の上に立つ人間にならなければならない、など
他にもたくさんの種類があり、それは人によって違います。
これらはどれも小さい頃の積み重ねによるルールですので、
自分の中では「当たり前」になっていることが非常に多いです。
あなたも自覚がないまま、
このようなルールに縛られていませんか?
自分を責めたり、ダメ出ししたりしていませんか?
過去に作られた強いルールに縛られている方は、
そのルールに自分が到達できなかった時に、自分を責めたり、ダメ出ししたりしやすい傾向があります。
親から言われてきたことを、
自分自身も、自分に対して言ってしまうのです。
過去の体験とこのルールにより、
「自分はだめなんだ」
と強く思い込まされていることもあります。
無条件の愛情とは
では、「無条件の愛情」とはどんなものでしょうか。
たとえば、
- 良い結果が出せなかったとしても、努力を認めてくれる。
- 落ち込む気持ち、悔しい気持ちに寄り添ってくれる。
- 頑張る力が無いときも、その状態を認めてくれる。
- どんな自分でも大事にしてくれる。
こんなことがあげられます。
そのままの自分を受け入れてくれて、
存在を大事にしてくれる。
そして、自分の気持ちや考え、頑張りを大切にしてくれるのです。
このような無条件の愛情をもらいながら育つと、
子どもは「あるがままを認めてもらっている」という絶対的な安心感や、
「そのままの自分でいいんだ」という自信、
「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感をすくすくと育むことができます。
親から学んだこのような絶対的な安心感、自信、自己肯定感があるから、
成長して家庭以外の外の世界に出ても
「自分は大丈夫」
「ちゃんと認めてくれる人もいる」
「自分の気持ちを大切にしていい」
と感じられて、
むやみに自分を責めたりせずに、自分を大切にしながら良い判断ができるのです。
子どもの頃にどんな育てられ方をしたかなんて、
あまり他の人と話す機会はないかもしれません。
だから気付かないまま、大人になっているのかもしれません。
ぜひ、下の5つの質問を自分にしてみてください。
3.親の期待にそわなくて、怒られていませんでしたか?
4.親の意に沿わずに、不機嫌になられることはありませんでしたか?
5.そのままの自分を受け入れて、認めてもらってきましたか?
もしも、
「自分は条件付きのほめられ方をしてきて、
それが生きづらさにつながっているのかもしれない」
と気付いたら、その気付きはあなたの人生を変える大きな一歩です。
生きづらさは軽くすることも、手放すことも可能です。
大事なあなたの人生、
心と考え方を整えながら「あなたらしい」人生へと変化させていきましょう。