親から愚痴を聞かされる
「親と仲が悪いわけではないけど、
会うたびに愚痴を聞かされてしまう。
私はいつも、愚痴の聞き役。
親の愚痴は長く、
私が意見をしたり聞かなかったりすると
親は不機嫌になってしまう。
でも、
私はいつもこうして親の話を聞いているけど、
親は私の話にはあまり興味がないみたい・・
親が大変なことは良くわかっている。
だから、
少しでも親の負担を減らしたくて愚痴を聞くけど、
本当は、疲れてしまう・・
とはいえ、断るわけにはいかない。
どうしたらいいんだろう」
このようなストレスを抱えていませんか・・?
愚痴を聞き続けるのは疲れますよね。
また、自分の話はそっけなくされたら、
複雑な気持ちになってしまいますよね・・
長女さん、ひとりっこさんに多い「親の愚痴の聞き役」
このようなお悩みは、
長女さん、ひとりっこさんからよく聞かれます。
長女さんやひとりっこさんでなかったとしても、
「長女さんのようなポジション」であったり、
「ひとりっこさんのような環境」の方が多いです。
逃げ場がなかったり、
親との距離感が近いがゆえに、親はいつのまにか
「子どもは自分のことをすべてわかってくれる」
「同じ女の子だから、この子は味方になってくれる」
そんなふうに無意識的に
「子どもはわかってくれるもの」
「味方になって当然」
と考えてしまっているケースは少なくありません。
「子どもの心」を考えずに、
親の心の満たされない部分の穴埋めや癒しを
子どもに求めてしまっているのですね。
また、夫婦仲や家族関係が良くないがゆえに、
そのしわ寄せが子どもにきてしまい、
子どもが愚痴を聞くことになってしまうケースも多いです。
たとえば、
両親が不仲でけんかをすることが多く、
お母さんが子どもに愚痴を言ったり、
「あなたは味方だよね?」
と片方の親の味方につくことを求めたり・・
お母さん、お父さんのどちらかが
他の家族から追い詰められてしまっているために、
子どもは
「自分が親を支えなければならない」
「守らなければいけない」
と感じて、
親の愚痴を聞くことで頑張って支えようとしたり・・
あなたは家庭はどうでしょうか?
いろいろなケースがありますが、
どのような場合でもひとつ言えるのは、
「子どもは親のために頑張っている」ということです。
親の愚痴により、自分自身が倒れないように
ご相談をくださる方からは
「愚痴を聞かないと
『親不孝者』と言われる」
「親を不機嫌にさせてしまう」
といった不安の声が聞かれることも多いです。
親のためにいつも頑張っているのに
『親不孝者』と言われたら悲しくなりますよね・・
愛情深い人であればあるほど、
本当は親の言動により傷ついているにもかかわらず、
愚痴を聞き続けていたりします。
自分で思っている以上に
心身のストレスが積み重なっている場合もあります。
心や体のバランスを崩してしまうことも少なくありません。
「親のために・・」という
親を思う気持ちは素晴らしいものです。
だけど、あなた自身が倒れてしまわないように。
倒れてしまったら、
できることもできなくなってしまいますからね。
現状を把握して、客観的に自分を見つめることも
時には大切です。
そのために今日はふたつ、
考えてほしいことをお伝えします。
1. 親に本音を言えていますか?
まずひとつめは、
「あなたは親に、本音を言えているかな?」
ということ。
親は愚痴を通して
子どもに本音を言えている場合が多いと思いますが、
あなたの方は親に自分の気持ちや考えを言えているでしょうか?
自分の気持ちや考えをわかってもらっていますか?
あなたと親、お互いに本音を言い合えていればよいのですが、
子どもだけが
「断りたいのに、断れない」
「そうだね、といつも親を肯定してあげなければならない」
「意見を言えない」
など、本当の気持ちや考えを言えない状態だとしたら、
子どもはつらくなりますよね。
「歪んだ親子関係」になっていないでしょうか。
2. 親の感情の「お世話役」になっていませんか?
ふたつめは、
「親の感情の『お世話役』になっていないかな?」
ということ。
もしも、
親の愚痴を聞かなければならない状態が昔からで、
親はあなたに愚痴を言うことで
気持ちを保てているようなら・・
親は
「なにか問題が起きたときには、
子どもに愚痴を言うことで
自分の感情を安定させる」
ということが習慣になってしまっているのかもしれません。
確かに、
愚痴を聞くことにより親が笑顔になるなら、
それは親孝行と言えるかもしれません。
子どもとしては嬉しいことですよね。
だけど、見方を変えると
『親の感情のお世話をし続けている』
と言えないでしょうか?
本来、親の感情は親のものであり、
もう大人ですから、
自分の感情のお世話は自分でするのが基本となります。
もちろん、家族は助け合いの関係ですから、
時には家族の愚痴を聞いたり、
自分の愚痴を聞いてもらったりすることもとても大事ですよ。
ただ、ここで考えてみてほしいのは、
あなたの場合は「助け合い」の関係になっていますか・・?
ということ。
あなただけが気持ちを抑えたり、耐えたりしなければならなくて、
自分の話は聞いてもらえないなら・・
それは「助け合い」ではないですよね。
「当たり前」の感覚を見直すこと
もしも、
親は「子どもに愚痴を聞いてもらうのは当たり前」と感じていて、
子どもは「愚痴を聞くのは子どもとして当然」と考えていて、
それが昔から続いているようなら・・
さらに、
あなたがもう、つらくなっているなら・・
その「当たり前」を見直してみることが必要でしょう。
親にとっては当たり前でも、
あなたにとっては当たり前ではないこともありますよね。
優しさも親孝行も、
あなたができる範囲で行うことが大切です。
そのために、
あなた自身が考え、判断し、選んでいく。
そんな力も必要です。
相談室そらでは、
「愚痴を聞き続けるのに疲れた・・」
「どう対応していいのかわからない・・」
そんな方からのご相談をお受けしています。
(未成年さん、高校生さんの場合は
保護者さまの承諾が必要になります)
「自分の人生を大事にできるようになった」
「心が楽になった」
という声も頂いております。
小さなことでも、どんなことでもていねいにお話を聞かせていただきますので、
お気軽にお知らせください。